アーティスト・イン・レジデンス
南城市のうたの記憶を探す
インフォメーション
アーティスト・イン・レジデンス 松田美緒(歌手)
アーティスト滞在期間 2019年8月26日(月)〜8月31日(土)
- 講座日時 2019年8月31日(土)10:30〜12:30
会場 Lamp cafe+zakka (沖縄県那覇市松尾2-3-25アーバンヒルズ松尾1F)
定員 8名
※定員に達したため、申込み受付を終了いたしました。
概要
地域で歌い継がれてきた「うた」の記憶を探すアーティスト・イン・レジデンス・プログラム。音楽家・松田美緒のフィールドワークの一部に参加し、地域の「うた」の記憶に耳を傾けながら、アーティスト・講師とともに地域文化の豊かな多様性とその創造的可能性について考えます。
講座プログラム
2019年8月31日(土) 於:Lamp cafe+zakka
10:30〜12:30 「《献穀田田植歌》の記憶をめぐって」
講師 三島わかな(沖縄県立芸術大学附属研究所共同研究員)
聞き手 松田美緒(歌手)
《献穀田田植歌》(神田精輝作詞、宮良長包作曲)は、戦前、新嘗祭に献納する米を育てる田圃に苗を植える「献穀田御田植式」で、「早乙女」に選ばれた沖縄各地の女性たちによって歌われました。
1944年、玉城村(現・南城市玉城)の篤農家の田圃が「斎田」に選ばれます。御田植式では村内から選ばれた17〜19歳の女性たちがこの歌にのせて苗を植えました。沖縄戦によって、これが県内で行われた最後の「献穀田御田植式」となりました。
この歌は、戦後長らく、戦前の記憶につながるものとして、それを歌った女性たちの心の中にひっそりと留められていました。しかし、彼女たちの心を長年の呪縛から解放したいというある音楽教師の思いから、1990年代半ばに「復活」します。1990年代から2000年代にかけて、「平和や生命の尊さを伝える歌」として旧玉城村の行事でも披露されてきました。2007年には、近藤健一郎さん、三島わかなさんによる調査によって、この曲の楽譜も発見されています。
沖縄近代音楽史の専門家であり、この楽譜の発見にもかかわった三島わかなさんとともに、ある女性の中に生き続けてきた歌の記憶を探しながら、地域の音楽文化の歴史性と、この歌を受け継ぐ意味について考えていきます。