今を生きる人々と育む地域芸能の未来
沖縄には豊かな芸能と、それを支える文化を育んできた歴史があります。
しかし、地域社会の急速な高齢化や都市化にともない、
これまで地縁・血縁で継承されてきた芸能が
存続の危機にさらされている場合も少なくありません。
コミュニティの変容にともない、芸能の継承のあり方も
「保存」から「持続可能性」へと転換すべき時代がやってきています。
そこで、本事業では、「伝統芸能」や「民俗芸能」といった
従来の区分にとらわれず、地域の人々が今、
「芸能」と認識して実践しているものを「地域芸能」ととらえ直し、
その持続可能な未来について、
参加するみなさんとともに考えていきます。
事業統括・プログラムディレクター
向井大策
沖縄県立芸術大学音楽学部准教授
プログラムコーディネーター
呉屋淳子
沖縄県立芸術大学音楽学部准教授
事業目的
本事業では、地域芸能の活性化に取り組む人々のための学びの場の提供と、情報を共有し、共感しながら学び合える人的交流を促進するプログラムを構築します。
本事業の目的は大きく次の3点です。
- 最新の学際的な知見を応用し、「地域芸能」に関する理論的アプローチを共有すること
- 地域芸能に関わる実践者たちの交流の場/学び合いと共感のプラットフォームづくり
- アーティストが地域の音楽文化と出会うことで生まれる創造的可能性の探求
プログラム概要
3年目となる今年度のプログラムは、「地域」をもう一度捉え直すという視点から、4つのプログラムを行います。10名のフェローをはじめ、講師やアーティストのみなさんとともに、地域で受け継がれてきた「芸能」を、持続可能なかたちで次世代へとつなぐためのアイデアや方法論を考えていきます。
講座内容
地域芸能ゼミ「接触領域」として地域を考える
地域での文化実践にたずさわる多種多様なフィールドや専門性を持つフェローが、自らの実践から得た経験や知見を共有しながら、地域における文化実践の意味、活動の課題や今後の可能性について議論します。
レクチャー・シリーズ
第一線で活躍する研究者、作家、アート・マネージャーを講師に迎えて、 地域芸能の現代的課題について考えるレクチャーをオンデマンド配信します。複数の文化を横断し、地域の音楽や芸能とかかわる行為や体験を言語化することを通して、地域芸能の多様な「現在」を捉えていきます。(オンデマンド配信・全6回を予定)
アーティスト・イン・レジデンス・プログラム
2名のアーティストを招聘し、地域芸能にかかわる人・モノ・コトをリサーチしながら作品制作を行います。
「地域芸能と歩む」BOOK 制作プログラム
フェロー、講師、アーティストのみなさんととともに、「地域芸能」というアイデアを出発点に3年間の事業を行う中で見えてきた持続可能なあり方を1冊のBOOKにまとめます。(3月下旬刊行予定)
申込方法
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開催プログラム
報告動画
「地域芸能と歩む」報告動画の公開
令和3年度「今を生きる人々と育む地域芸能の未来」報告動画を公開します。 プロジェクト3年目は、「地域」から「芸能」を考える/「芸能」から「地域」を考える、という視点から、ゼミナール(全8回)、レクチャー・シリーズ(全6回)、アーティスト・イン・レジデンス・プログラム(全2回)、そしてBOOK制作プロジェクトの4つの活動を実施しました。 「地域」とは何か、そして、私たちの「生」において音楽・芸能とはどのような存在なのか。 参加してくださったフェロー、講師、アーティストの皆さんとともに、考え、語り合い、学びあった1年間の記録です。
レクチャー・シリーズ⑤
「きく」―うたの行方を訪ねる旅
申込受付・配信期間:2022年2月16日~3月2日
令和3年度(2021年度)「今を生きる人々と育む地域芸能の未来」レクチャー・シリーズでは、視点として5つの「動詞」を設定し、それぞれの視点に基づいて、6つのレクチャーを企画しました。地域の音楽や芸能にかかわる行為を理解するための視点(「かわる」・「つながる」)、それを体験するための手法にかかわる視点(「であう」・「きく」)、そして自らが表現する主体となるときに生まれる視点(「うたう」)、それぞれの視点からの思索へといざなうことで、地域や芸能をより深く知り、理解すると同時に、その現代的な課題について考察します。
レクチャー・シリーズ②
「つながる」―クラシック音楽と地域をつなぐ
申込受付・配信期間:2022年1月17日~1月31日
令和3年度(2021年度)「今を生きる人々と育む地域芸能の未来」レクチャー・シリーズのオンデマンド配信が始まります! 今年度は、視点として5つの「動詞」を設定し、それぞれの視点に基づいて、6つのレクチャーを企画しました。地域の音楽や芸能にかかわる行為を理解するための視点(「かわる」・「つながる」)、それを体験するための手法にかかわる視点(「であう」・「きく」)、そして自らが表現する主体となるときに生まれる視点(「うたう」)、それぞれの視点からの思索へといざなうことで、地域や芸能をより深く知り、理解すると同時に、その現代的な課題について考察します。
「今を生きる人々と育む地域芸能の未来」事業報告書
『地域芸能と歩む』
令和3年度「今を生きる人々と育む地域芸能の未来」活動報告書『地域芸能と歩む』(PDF)をアップロードします。 今年度のプロジェクトに参加したフェローの皆さんのエッセイと、レクチャーの講師の皆さんによる論考、そしてアーティスト・イン・レジデンス・プログラムの記録と解説を収録。ふたりの写真家による「人」と「土地」に焦点を当てた、2編の写真のシリーズも収められています。 3年間のプロジェクトの集大成、ぜひご覧ください!
レクチャー・シリーズ⑥
「うたう」―うたを土地に返すために
申込受付・配信期間:2022年2月16日~3月2日
令和3年度(2021年度)「今を生きる人々と育む地域芸能の未来」レクチャー・シリーズでは、視点として5つの「動詞」を設定し、それぞれの視点に基づいて、6つのレクチャーを企画しました。地域の音楽や芸能にかかわる行為を理解するための視点(「かわる」・「つながる」)、それを体験するための手法にかかわる視点(「であう」・「きく」)、そして自らが表現する主体となるときに生まれる視点(「うたう」)、それぞれの視点からの思索へといざなうことで、地域や芸能をより深く知り、理解すると同時に、その現代的な課題について考察します。
アーティスト・イン・レジデンス・プログラム
志鎌康平写真展「もうひとつの時間」
会期:2022年3月21日〜30日
2019年5月から約2年半をかけて、沖縄と東北、それぞれの地域で芸能にたずさわる様々な人たちと対話を重ねながら、ポートレートの撮影を行いました。地域で芸能とともに人生を歩む人たちが、日常のなかの「もうひとつの時間」を生きる瞬間を捉えます。
レクチャー・シリーズ③
「であう①」―突き棒船の歌からたどる交流
申込受付・配信期間:2022年2月1日〜2月15日
令和3年度(2021年度)「今を生きる人々と育む地域芸能の未来」レクチャー・シリーズでは、視点として5つの「動詞」を設定し、それぞれの視点に基づいて、6つのレクチャーを企画しました。地域の音楽や芸能にかかわる行為を理解するための視点(「かわる」・「つながる」)、それを体験するための手法にかかわる視点(「であう」・「きく」)、そして自らが表現する主体となるときに生まれる視点(「うたう」)、それぞれの視点からの思索へといざなうことで、地域や芸能をより深く知り、理解すると同時に、その現代的な課題について考察します。
まーすけーいロード・プロジェクト(アーティスト・イン・レジデンス・プログラム)
音楽紙芝居「くもこちゃん まーすけーい歌 ― 塩の道をたどって 沖縄の空を飛ぶ」
申込受付・配信期間:2022年3月9日〜3月27日
むかしむかし沖縄には雲子色(くもこいろ)という言葉がありました美しい色という意味です今は使われなくなった言葉です むかしから読谷の長浜では「まーすけーい歌(塩替え歌)」が歌い継がれてきました泡瀬の塩田まで、塩を手に入れるための道行きの歌です さまざまな色をカラダに映して飛ぶくもこちゃんが沖縄の塩の道を飛びます まーすけーい歌って どんな歌?くもこ色って どんな色?
レクチャー・シリーズ④
「であう②」―フィールドでの出会いと変容
申込受付・配信期間:2022年2月1日〜2月15日
令和3年度(2021年度)「今を生きる人々と育む地域芸能の未来」レクチャー・シリーズでは、視点として5つの「動詞」を設定し、それぞれの視点に基づいて、6つのレクチャーを企画しました。地域の音楽や芸能にかかわる行為を理解するための視点(「かわる」・「つながる」)、それを体験するための手法にかかわる視点(「であう」・「きく」)、そして自らが表現する主体となるときに生まれる視点(「うたう」)、それぞれの視点からの思索へといざなうことで、地域や芸能をより深く知り、理解すると同時に、その現代的な課題について考察します。
Campus
エリア・キャンパス
本事業では、離島も含む沖縄全体を、大学と地域の協働による「エリア・キャンパス」と捉え、沖縄各地に人材育成の拠点を求めていくことで、地域の多様性に根ざした事業を展開します。同時に、県立芸術大学である本学が地域間交流のハブとなることで、沖縄県内外の優れた実践を互いに学び合える枠組みづくりも進めていきます。
事業概要
事業名
今を生きる人々と育む地域芸能の未来
〜「保存」から「持続可能性」への転換を志向する場の形成と人材育成〜
事業期間
2021年4月1日~2022年3月31日
事業統括・プログラムディレクター
向井大策(沖縄県立芸術大学音楽学部准教授)
プログラムコーディネーター
呉屋淳子(沖縄県立芸術大学音楽学部准教授)
アートディレクター
大西隆介(direction Q)
写真
志鎌康平(志鎌康平写真事務所【六】)
WEB
藤本圭
主催
沖縄県立芸術大学
助成
文化庁 令和3年度 大学における文化芸術推進事業
お問い合わせ
「今を生きる人々と育む地域芸能の未来」事務局
〒903-8602 沖縄県那覇市首里当蔵町1-4 沖縄県立芸術大学
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